今、本当に大阪市を歩いていて、ふと気づく。
あれ、誰も笑っていない。
難波の駅前も、心斎橋のアーケードも、
人は多い。観光客もいる。店も開いている。
でも、顔が動いていない。
無表情のままスマホを見て、
無言のまま改札を抜け、
無音のままエスカレーターに乗る。
笑い声が、ほとんど聞こえない。
大阪って、こんな街やったやろか。
昔は、知らん人同士でもちょっとした会話があった。
レジで一言、居酒屋で一言、
エレベーターの中でも軽い冗談が飛んだ。
今は、空気が硬い。
みんな何かを警戒しているような、
余計なことは言わないと決めているような。
観光客は写真を撮っているけれど、
地元の人は足早に通り過ぎる。
立ち止まらない。目を合わせない。
活気はあるのに、熱がない。
人は多いのに、温度が低い。
それが、少し気持ち悪い。
怒っているわけでもない。
悲しんでいるわけでもない。
ただ、笑っていない。
大阪の強みは、笑いで空気をゆるめることやったはずだ。
しんどさも、不満も、最後はネタにする。
でも今は、ネタにする前に飲み込んでいる感じがする。
声に出さず、表情に出さず、
心の奥にしまっている。
街が大人になったのか。
それとも疲れているのか。
夜の帰り道、ふと周りを見渡して、
やっぱり誰も笑っていない気がして、
少しだけぞわっとした。
大阪は、こんなに静かな街やったやろか。
それとも、笑っていないのは、
街ではなく、私のほうなのだろうか。
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