大阪という街は、やっぱり少し派手だと思う。
看板は大きい。
色も強い。
声も大きい。
街を歩いているだけで、どこか舞台の中にいるような気分になる。
道頓堀のあたりを歩けば、巨大な看板が目に入る。
通天閣のまわりには、昔ながらの空気が残っている。
梅田に行けば、高いビルが並んでいて、都会らしい顔をしている。
大阪は、見た目だけで言えば、かなりにぎやかな街だ。
けれど、不思議なことに、そこまで冷たく感じない。
派手で、にぎやかで、少しうるさいくらいなのに、どこか人の体温が残っている。
店に入れば、店員さんのひと言が少し近い。
道を聞けば、思ったより丁寧に教えてくれる人がいる。
知らない人同士でも、ちょっとしたことで会話が生まれることがある。
もちろん、全員がそうだとは言わない。
大阪にも冷たい人はいるし、急いでいる人もいる。
余裕のない空気を感じることだってある。
それでも大阪には、どこか放っておけないような雰囲気がある。
見栄を張るところもある。
強がるところもある。
笑いに変えてしまうところもある。
でもその奥に、生活のにおいがある。
おしゃれなだけではない。
きれいなだけでもない。
少し雑で、少し近くて、少し暑苦しい。
けれど、その暑苦しさが、たまにありがたい。
大阪の人情くささは、きれいな言葉だけでは説明しにくい。
困っている人にそっと寄り添うような優しさというより、
「大丈夫か?」と少し乱暴に声をかけてくるような感じに近い。
やさしいのに、やさしそうに見せない。
親切なのに、少し照れ隠しをする。
真面目な話をしていたはずなのに、最後は笑いに逃がす。
そういうところが大阪らしいと思う。
街そのものも、どこかそんな感じがする。
派手な看板の下に、昔からある小さな店がある。
新しいビルのすぐ近くに、古い商店街が残っている。
観光地のにぎやかさの裏側に、普通に暮らしている人の毎日がある。
大阪は、全部をきれいに整えようとしない。
少しごちゃごちゃしている。
でも、そのごちゃごちゃの中に、人の暮らしが見える。
そこが面白い。
都会なのに、どこか近い。
派手なのに、どこか泥くさい。
強そうなのに、どこか寂しさもある。
大阪という街は、格好よく見せようとしているようで、結局どこか本音が出てしまう街なのかもしれない。
笑ってごまかす。
大きな声で隠す。
派手に飾る。
でも、その奥には、生活している人たちのしんどさや、あたたかさや、たくましさがある。
だから大阪は、ただ派手なだけの街ではないと思う。
派手な看板の奥に、人の声がある。
にぎやかな通りの裏に、誰かの暮らしがある。
笑いの中に、少しだけ本音が混じっている。
大阪は、きれいにまとまりすぎていない。
だからこそ、人間くさい。
そしてその人間くささが、たぶん大阪のいちばん面白いところなのだと思う。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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