大阪に住んでいると、時々そんなことを考える。
観光といえば、やはり京都市。
そして、静かな時間が流れる奈良市。
古い寺社、石畳、鹿、着物姿の観光客。
「日本らしさ」という言葉を形にしたような街並みが、そこにはある。
一方で大阪市はどうだろう。
確かに、道頓堀のネオンも、通天閣の佇まいも、十分に観光地だ。
けれど、大阪はどこか生活の匂いが強い。
商店街の値札、スーパーの特売、朝の満員電車。
観光都市として整いすぎていないところが、大阪らしさなのかもしれない。
もし大阪が京都のように、街全体が「保存」される存在になっていたら。
もし奈良のように、時間がゆっくり流れる場所になっていたら。
たぶん、今のこの雑多さはなかった。
再開発も、ビル群も、せわしない空気も、違う形になっていたかもしれない。
観光は経済を動かす。
でも同時に、街の性格も変えていく。
だから、観光都市は京都や奈良でよかった。
大阪は大阪のままでいい。
笑い声が大きくて、値切りがあって、ちょっと下品で、でもあたたかい。
観光パンフレットに載らない路地裏こそ、
この街の本当の顔だと思う夜がある。
華やかさはよそに任せて、
今日も大阪は、生活の音を鳴らしている。
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