大阪は狭い、
と誰かが笑う。
けれどその「狭い」は、
距離のことじゃない。
街を歩けば、
どこかで知っている顔に出会う。
友達の友達は、
だいたいどこかでつながっている。
昨日話していた噂が、
今日にはもう広がっている。
梅田も、
難波も、
心斎橋も。
大きなビルが並んでいても、
どこか人の距離が近い。
エスカレーターで前に立った人が、
実は同じ地元だったりする。
「え、なんでここにおるん?」
そんな偶然が、
やけに多い街。
大阪は狭い。
でもそれは、
逃げ場がないという意味じゃない。
声が届く距離。
笑いがすぐ広がる距離。
知らない人同士でも、
同じタイミングで笑える。
商店街の匂い。
たこ焼きの湯気。
聞き慣れたイントネーション。
どこへ行っても、
少しだけ安心する。
狭いからこそ、
近い。
近いからこそ、
温度がある。
失敗しても、
笑い話に変えてくれる誰かがいる。
大阪は狭い。
でもその狭さの中に、
ちゃんと広い世界がある。
人と人の距離が近い分だけ、
心の動きも、
すぐ伝わる。
きっとこの街は、
大きさよりも、
濃さでできている。
そう思いながら、
今日もまた、
どこかで偶然に出会う。
「やっぱり大阪、狭いな」
そう言って笑えるのが、
なんだかうれしい。
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