小さな屋台のたこ焼きの香りが鼻をくすぐる。
ふと、立ち止まって串を手に取ると、なんだかたこ焼きに説教されている気分になる。
「もっと丁寧に歩きや!」
「手抜きの顔じゃあかんで!」
そんな声が聞こえるわけではないのに、串を持つ手に力が入る。
気づけば、焦げ目のついた一粒一粒が、私の雑念を笑っているような気がする。
コロコロ転がるたこ焼きを見ながら、今日の自分を振り返る。
朝のスキンケアを手早く済ませたこと、服装を適当に選んだこと、全部見透かされている気がする。
大阪の街は正直だ。屋台のたこ焼きも、街の人も、手抜きには厳しい。
でも、説教されても悪い気はしない。
むしろ、少し反省して、もう一度顔を洗い直したくなるし、服のボタンも整えたくなる。
午後の商店街と、たこ焼きの香ばしい説教が、私をちょっとだけまっとうにしてくれるのだ。
今日も、たこ焼きに説教されながら、街を歩く。
毛穴も雑念も、少しだけ整った午後のこと。
笑いながら、自分を磨く時間は、大阪の特権かもしれない。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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