日曜日の午後は、だいたい粉もんの匂いがする。
どこからともなく漂ってきて、私の理性をゆっくり溶かしていく。
「今日は軽めにしとこ。」という決意は、たいてい三分で消える。
お好み焼きか、たこ焼きか。
この選択だけで、なぜか人生を問われている気分になる。
どっちを選んでも正解やのに、やたら真剣に悩む。
鉄板の上でジュウジュウと音を立てる生地。
その音を聞いていると、頭の中の雑念まで一緒に焼かれていく気がする。
月曜の仕事のことも、部屋の片付けも、とりあえず裏返しておこう。
ソースをかけすぎて、「あ、ちょっと濃いな」と思う。
でももう戻れない。
人生も粉もんも、かけすぎ注意である。
マヨネーズをジグザグにかけながら、ふと思う。
こんな平和なことで悩んでいる日曜日は、案外悪くない。
粉もんがあるだけで、世界はちょっと丸くなる。
結局、お腹いっぱいになって動けなくなる。
雑念も消えたけれど、やる気も一緒に消えた。
まあええか、今日は日曜日やし。
粉もんと一緒に、雑念もほどよく焼き上がった午後だった。
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