駅を出た瞬間、建物の間を抜けてきた風が顔に当たって、思わず少しだけ足を止めました。
大阪の町は、場所によって空気が少しずつ違います。
梅田のような大きなにぎわいとも、難波のような派手さとも違って、弁天町には少し落ち着いた日常の雰囲気があります。
高い建物が見えて、広い道路があって、駅のまわりには人の流れがあります。
それでも、どこか急ぎすぎていない感じがします。
風が強い日でも、その風ごと町の景色になっているように思えました。
信号を待っていると、服のすそがふわっと揺れました。
自転車で通りすぎる人の髪も、街路樹の葉も、同じ方向へ流れていきます。
ただ風が吹いているだけなのに、町全体が少し動いているように見えました。
弁天町は、昔から港の気配をどこかに残している町だと思います。
海がすぐ目の前にあるわけではなくても、風の中に少しだけ水辺の近さを感じることがあります。
それがこの町の印象を、少しだけ広く見せているのかもしれません。
歩道を歩きながら、ふと空を見上げました。
雲の流れが早く、青空も少し忙しそうに見えました。
でも、不思議と嫌な感じではありません。
むしろ、頭の中にたまっていたものを風が少し持っていってくれるような気がしました。
大阪の町を歩いていると、何か特別なことがなくても、こういう日があります。
ただ駅を出て、道を歩いて、風を感じるだけの日。
けれど、そういう何気ない時間の中に、あとから思い出す景色が残ることもあります。
弁天町の風が少し強い日。
それは少し歩きにくい日でもありました。
でも同時に、この町の広さや、空の高さや、大阪の日常を感じる日でもありました。
強い風に背中を押されながら、また少しだけ歩いてみる。
そんな普通の時間も、雑記ブログに残しておきたくなる大阪の景色でした。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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