大阪といえば、たこ焼き。
そう言われることは多いです。
もちろん、たこ焼きは大阪らしい食べものです。
熱々で、ソースの匂いがして、湯気が立っていて、食べると口の中を少しやけどしそうになる。
でも、大阪で本当に熱いのは、たこ焼きだけではないと思います。
街の空気そのものが、どこか熱い。
駅前を歩いているだけで、声が飛んでくる。
店の人の呼び込み。
誰かの笑い声。
自転車のベル。
信号が変わる前から、少しだけ前へ進もうとする人たち。
大阪の空気には、止まっていない感じがあります。
静かに整っているというより、少しざわざわしている。
きれいに並んでいるというより、人の生活がそのまま道にはみ出している。
そこが大阪らしいところなのかもしれません。
たこ焼き屋の前を通ると、ソースの匂いがする。
商店街を歩くと、知らない人同士の会話が聞こえる。
電車に乗れば、誰かが小さな声で文句を言っていたり、誰かが笑っていたりする。
大阪は、すました街ではないと思います。
良くも悪くも、人の気配が濃い。
人が生きている音がする。
人が働いている匂いがする。
人が急いでいる気配がある。
人が疲れている感じもある。
それでも、どこか前に進もうとしている。
大阪の熱さは、派手な看板や笑いだけではなく、毎日をなんとか回している人たちの熱なのかもしれません。
安くてうまいものを探す熱。
少しでも得をしたい熱。
仕事へ向かう熱。
生活を守る熱。
誰かに負けたくない熱。
それでも笑っておきたい熱。
たこ焼きは、冷めれば食べやすくなります。
でも大阪の空気は、なかなか冷めません。
朝の駅にも、昼の商店街にも、夜の道頓堀にも、どこかに熱が残っています。
その熱さがしんどい日もあります。
人が多すぎると思う日もあります。
もう少し静かでもいいのにと思う日もあります。
それでも、しばらく離れると、あのざわざわした感じが少し恋しくなる。
大阪の空気は、上品ではないかもしれません。
でも、妙に人間くさい。
熱くて、濃くて、少しうるさくて、でもどこか憎めない。
たこ焼きよりも熱いもの。
それは、大阪の街を歩く人たちの声であり、足音であり、今日もなんとか生きている空気なのだと思います。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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