玉造の駅を出るころには、
街の明かりが少しずつやわらかくなっていました。
昼間の大阪は、
人の声や車の音や、
どこか急いでいる空気でいっぱいです。
でも、夜の玉造には、
少しだけ別の顔があります。
にぎやかすぎず、
寂しすぎず、
ただ静かに人が帰っていく町。
駅の近くには、
まだ開いているお店の明かりが残っていて、
その光を見ると少し安心します。
誰かが晩ごはんを買って帰る。
誰かが自転車で通り過ぎる。
誰かがスマホを見ながら、
ゆっくり家の方へ歩いていく。
特別なことは何も起きていないのに、
そういう普通の風景が、
妙に心に残ることがあります。
玉造という町は、
大阪の中でも派手に目立つ場所ではないかもしれません。
でも、そこがいいのだと思います。
大きな看板や観光地のような賑わいではなく、
生活の音がある。
毎日そこを通る人の足音があり、
自転車のベルがあり、
遠くから電車の音が聞こえる。
その全部が、
町の呼吸のように感じられます。
帰り道を歩いていると、
ふと空を見上げたくなる瞬間があります。
ビルの間に見える夜空は広くはないけれど、
それでも少しだけ気持ちをほどいてくれます。
今日も一日終わった。
うまくいったことも、
うまくいかなかったことも、
とりあえずここまで持って帰ってきた。
そんな気持ちになります。
玉造の帰り道は、
何かを強く励ましてくれる道ではありません。
ただ、急がなくてもいいような気にさせてくれる。
派手な言葉ではなく、
小さな明かりで、
「今日もおつかれさま」と言ってくれるような道です。
大阪には、
大きな駅や有名な場所がたくさんあります。
でも、こういう静かな帰り道にも、
ちゃんと大阪の良さがあると思います。
人が暮らしている町。
誰かの日常が重なっている町。
そして、自分もその中を歩いている町。
玉造の夜道を歩きながら、
そんなことを少しだけ考えました。
何でもない帰り道。
でも、何でもないからこそ、
心に残る日があります。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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